はじめに

こんにちは、CSSファクトリーです。

今回は、2026年10月時点で公表されている統計と制度をもとに、日本国内のキャンピングカーと車中泊車の使われ方を整理してみます。ここでいう車中泊車とは、商用バンやミニバン、SUVなどにベッドキットやマットを積んで寝泊まりできるようにした車両のことです。

日々キャンピングカーや車中泊車の整備・修理に携わっていると、ひとつの実感があります。「キャンピングカー」という名前ではありますが、オートキャンプ場で滞在するより、旅行の途中で道の駅や高速道路のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)に停めて夜を過ごす使い方が多いのではないか、というものです。

私たちは整備において「たぶん大丈夫」という感覚に頼らず、基準と根拠に従うことをお約束しています。市場を見る際も同じ姿勢で臨みます。本稿では、この実感が公表データでどこまで裏付けられるのか、また裏付けられない部分はどこかを、出典を示しながら確認していきます。

使用するデータは、業界団体である日本RV協会(JRVA)の白書や発表、国土交通省やNEXCOの公表資料、パーク24やホンダアクセスなど民間企業のアンケート調査です。調査ごとに対象者や時期、設問が異なるため、数値を単純に足し合わせたり比べたりはせず、それぞれが何を示しているかを確認しながら読み進めます。2026年9月に実施されたホンダアクセスの最新調査など、できるだけ新しいデータを優先しています。

1. 結論:キャンピングカーと車中泊車は「旅行中の寝る場所」として使われている

公表データを総合すると、日本のキャンピングカーと車中泊車は、野外活動の道具というより、観光旅行の途中で寝るための車として使われていると考えられます。根拠は次の3点です。

  1. 車中泊を選ぶ理由は「宿泊費の節約」と「旅程の自由」です。 パーク24が2022年に実施した調査(有効回答6,940名)では、クルマでの宿泊を選んだ理由の1位が「宿泊費を節約したかったから」(46%)、2位が「自由に旅行したかったから」(40%)でした。2026年9月のホンダアクセスの調査でも、今後も車中泊をしたい人が挙げた魅力の1位は「宿泊費を節約できる」(51.4%)で、2位以下を大きく引き離しています。
  2. 車両の多くはコンパクトで、トイレや入浴を外部施設に頼る構造です。 JRVA『キャンピングカー白書2025』によると、国内で生産されるキャンピングカーの約8割はバンや軽自動車をベースにした車両です。ミニバンやSUVなど一般の乗用車で車中泊する人も多くいます。2026年のホンダアクセス調査では、車中泊経験者が挙げた「車中泊あるある」の1位が「公共トイレのありがたみを痛感する」(41.6%)でした。
  3. 車中泊の場所として最も求められているのは道の駅です。 パーク24の調査で、車中泊ができるようになればいいと思う場所の最多は「道の駅の駐車場」でした。道の駅は、国土交通省の登録要件として、無料で24時間利用できる駐車場とトイレを備えることが定められている施設です。

ただし、どこで何泊しているかという延べ泊数を全国規模で示す統計は、2026年10月時点で見当たりません。参考になるのは、JRVAが2018年に一般のクルマのユーザーも対象に行ったアンケートで、車中泊をした場所は道の駅が61.8%、SA・PAが12.9%でした。ただし8年前の調査であり、現在の比率は分かりません。そのため、「道の駅やSA・PAで夜を過ごす人が大半である」と数値で断定することはできません。本稿の結論は、上記のデータから導かれる推定としてお読みください。

2. 市場の現状(2026年10月時点)

キャンピングカーは年に約1万台ずつ増えている

JRVAによると、国内のキャンピングカー保有台数は2016年に10万台を超え、2025年には17万3,000台となりました。保有台数は、生産台数と廃車台数などから算出された推計値です。

年保有台数
2022年14万5,000台
2023年15万5,000台
2024年16万5,000台
2025年17万3,000台

販売額も伸びてきました。2024年のキャンピングカー販売総額は、新車・中古車の合計で過去最高の1,126.5億円(前年比107%)となり、直近10年で約4倍に成長しています。一方、2025年の販売総額は前年を下回りました。報道によると、理由はハイエースなどベース車両の供給不足で、キャンピングカーの人気が落ちたためではないとされています。

車中泊できる場所も増えている

車中泊の場所となる施設も、ここ数年で大きく増えました。

  • RVパーク: JRVAが認定する車中泊施設です。2022年7月時点で274カ所でしたが、2026年10月2日時点では全国715件と、約4年で2.6倍になりました。2026年7月末時点の676件から見ても、2カ月余りで39件増えています。
  • コンビニRVパーク: ローソンの店舗駐車場を使った車中泊施設です。2025年7月に千葉県の6店舗で実証実験が始まり、2026年7月には埼玉県・静岡県・愛知県へ広がって、7月17日時点で27店舗となっています。
  • 道の駅: 2026年9月4日付の登録で、全国1,234駅になりました。

ドライバーの3〜4割に車中泊の経験がある

キャンピングカーを持たない層も含めると、車中泊はさらに身近な旅行手段です。一般ドライバーを対象とした調査の結果は次のとおりです。

調査対象車中泊の経験がある人
ホンダアクセス 2021年自家用車を持つ20〜69歳のドライバー1,000人35.3%
パーク24 2022年パーク24のサービス利用者 6,940名35%
ホンダアクセス 2022年自家用車を持つ20〜69歳のドライバー1,000人44.3%
ホンダアクセス 2026年自家用車を持つ20〜69歳のドライバー1,000人32.9%

調査対象と設問が異なり、ホンダアクセスの調査は男女・各年代が均等になるよう抽出されているため、数値は単純には比べられません。それでも、これらのデータからはドライバーの3〜4割程度が車中泊を経験していると考えられます。

2026年のホンダアクセス調査をもう少し詳しく見ると、車中泊の経験がある人の割合が最も高かったのは20代男性(44.0%)でした。経験者の車中泊の回数は「1〜2回」が40.4%で最多でしたが、10回以上の人も21.6%いて、平均は10.5回でした。一度か二度試した人と、繰り返し車中泊をする人の両方がいることが分かります。また、経験者の55.0%が「今後も車中泊をしたい」と答え、20代では66.7%に達しています。

3. 利用目的:中心は「キャンプ」より「観光旅行」

「キャンピングカー」という言葉からは、タープを張って焚き火や野外調理を楽しむ姿が想像されがちです。しかし公表データを見ると、利用目的の中心は観光旅行にあります。

車中泊を選ぶ理由

パーク24の2022年調査では、クルマでの宿泊を選んだ理由は次のとおりでした。

順位理由割合
1位宿泊費を節約したかったから46%
2位自由に旅行したかったから40%
—アウトドアを楽しみたかったから約4人に1人

年代別では、60代以上だけ「自由に旅行したかったから」が「宿泊費を節約したかったから」を上回りました。

4年後の2026年9月に行われたホンダアクセスの調査でも、同じ傾向が続いています。今後も車中泊をしたい人(181名)が挙げた車中泊の魅力は次のとおりです。

順位魅力割合
1位宿泊費を節約できる51.4%
2位思いたったらすぐにできる37.0%
3位手軽にアウトドアを満喫できる36.5%
4位チェックイン・アウトの時間を気にしなくてもいい33.7%
5位旅の予定を柔軟に変更できる32.6%

費用の安さに加え、2位・4位・5位はいずれも「宿の予約や時間に縛られない」ことに関わる項目です。一方で「手軽にアウトドアを満喫できる」も3位に入っており、アウトドアの要素がまったく求められていないわけではありません。ただしここでも「手軽に」という言葉が付いており、本格的なキャンプとは性格が異なると考えられます。

同じ調査で、車中泊旅で楽しんでいることの上位は「夜間ドライブ」(35.0%)、「地元グルメ巡り」(26.4%)、「自然散策」(25.5%)、「星空観賞」「車内飯」(いずれも25.2%)でした。移動そのものや、旅先の食事を楽しむ使い方が上位を占めています。

背景にある宿泊費の上昇

「宿泊費の節約」が理由の1位であり続ける背景には、ホテル料金の上昇があります。東京商工リサーチの調査によると、上場ホテル12社(13ブランド)の2025年度の平均客室単価は1万7,818円で、前年度より8.6%上がりました。稼働率も83.3%と高い水準です。2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万人と過去最多を更新しており、観光地では国内の旅行者と訪日客が客室を取り合う状況が続いています。

レンタル市場でも観光が中心

レンタル市場でも同じ傾向です。『レンタルキャンピングカー白書2026』(2025年実績)では、利用目的の1位が「観光」(29.9%)で、「キャンプ」(22.7%)を上回っています。

レンタルキャンピングカー事業を行うCarLife Japanのレポートによると、レンタルキャンピングカー市場は前年比で約2倍に拡大しました。国内の利用者は2〜3泊が中心で、訪日客は5〜8泊の長期周遊が多いとされています。同レポートは急成長の背景として、訪日客の回復で従来の宿泊施設では需要を吸収しきれないこと、人気観光地での宿泊施設不足とホテル価格の高騰を挙げています。

利用者は中高年が中心

キャンピングカーの利用者層は中高年が中心です。『キャンピングカー白書2022』の2021年データでは、50代が32.1%、40代が25.9%、60代以上が23.6%で、40代以上が81.6%を占めていました。テントの設営や撤収を伴わず、車内で寝て翌日また観光地へ向かう旅は、こうした層の使い方に合っていると考えられます。一方、一般ドライバーの車中泊では、前章のとおり20代の経験率や今後の意向が高く、若い世代にも広がっています。

4. 車両構造:トイレ・入浴・食事を外部施設に頼る

国産キャンピングカーの約8割はバン・軽自動車ベース

『キャンピングカー白書2025』(2024年実績)によると、国内で生産されたキャンピングカーは年間9,559台です。車種別の構成比は次のとおりです。

車種区分ベース車両構成比
バンコンハイエース、キャラバンなどの商用バン67%
キャブコン小型トラック19%
軽キャンパー軽自動車11%
キャンピングトレーラー—2%
その他—1%

バンコンと軽キャンパーを合わせると78%です。日本の道路や駐車場の広さに合い、買い物や通勤にも使える大きさの車両が選ばれていると考えられます。こうした車両では、就寝スペースを優先すると、常設のトイレを設けるスペースは限られます。

車中泊の多くは一般の乗用車で行われている

パーク24の2022年調査では、車中泊旅行で使ったクルマは「自家用車」が77%で最多でした。2位は「一緒に行った人のクルマ」(14%)、3位は「レンタカー」(13%)です。この「自家用車」は所有形態の区分で、自分で所有するキャンピングカーも含みます。

とはいえ、台数の差は大きく開いています。国土交通省の集計では、2026年7月末時点の乗用車(普通車・小型車・軽自動車の合計)の保有台数は約6,200万台です。これに対し、キャンピングカーの保有台数は約17万台で、乗用車の0.3%程度の規模にすぎません。ドライバーの3〜4割が車中泊を経験していることから、車中泊をする人の多くは、キャンピングカーではなく一般の乗用車を使っていると考えられます。

外部施設が担う3つの機能

一般の乗用車で車中泊を伴う旅をするには、次の機能を外部の施設に頼る必要があります。

  • トイレ・洗面: 夜間も使えるトイレが駐車場所の近くにあること
  • 入浴: 日帰り温泉、スーパー銭湯、温泉を併設した道の駅など
  • 食事: 道の駅やSA・PAの売店・飲食店、周辺の飲食店やコンビニ

この条件を制度として満たしているのが道の駅です。国土交通省は道の駅の登録要件として、次のものを定めています。

  • 無料で24時間利用できる、十分な容量を持った駐車場、清潔なトイレ(原則洋式)、子育て応援施設(ベビーコーナー等)があること
  • 道路と地域に関する情報を提供する施設があること
  • 文化教養施設や観光レクリエーション施設などの地域振興施設があること

つまり、全国1,234カ所の道の駅には、24時間使えるトイレと駐車場があることが制度上前提になっています。パーク24の調査で、車中泊ができるようになればいいと思う場所の最多が「道の駅の駐車場」だったことも、この構造と一致します。

車中泊経験者の実感:トイレと温度

2026年のホンダアクセス調査で、車中泊の経験がある人(329名)に車中泊の際に経験したことを聞いた結果は次のとおりです。

順位経験したこと割合
1位公共トイレのありがたみを痛感する41.6%
2位車内温度の調整に苦戦する34.7%
3位寝ているときにわずかな段差が気になる28.0%
4位寝ているときにわずかな光が気になる23.1%
5位朝日で自然に目が覚める22.8%

1位の結果は、車中泊が公共トイレに支えられていることを利用者自身が実感していることを示しています。2位の車内温度は以前から続く課題で、2021年の同社調査でも「暑さ・寒さで目が覚める」が43.3%で2位でした。

車中泊に欠かせないアイテムの上位も、この構造を裏付けています。1位は「ブランケット」(38.3%)、2位は「スマートフォン充電ケーブル」(37.4%)、3位は「カーテン・プライバシーシェード」(30.4%)、4位は「クッション」(30.1%)、5位は「クーラーボックス」(29.2%)でした。上位は寝具、電源、目隠しで、調理器具は入っていません。車内は「寝る場所」として整え、食事やトイレは外で済ませる使い方がうかがえます。

5. 道の駅・SA/PAのルール:「仮眠は可、宿泊目的は遠慮」

国土交通省の見解

国土交通省は「道の相談室」で、道の駅での車中泊について次の趣旨を示しています。

  • 道の駅は休憩施設であり、駐車場など公共空間での宿泊目的の利用は遠慮してほしい
  • 交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設なので、仮眠はかまわない

「仮眠」と「宿泊」を分ける時間の基準は示されていません。モーターファンの取材に対して国土交通省は、何時間以上停めると車中泊になるという定義はなく、ドライバーが疲れを取るための仮眠は休憩と考えている、と回答しています。一方で、車外にものを出してくつろぐことは休憩ではない、という考え方も示されています。

施設側の受け止め方には幅がある

「くるまのニュース」が全国20か所の道の駅に電話取材した記事では、施設側の考える仮眠は長くても5〜6時間程度、宿泊は夕方から夜に入って朝まで過ごすこと、という線引きが紹介されています。夜に到着して朝まで眠る使い方は、施設によっては宿泊と受け止められる可能性があります。

また、「車中泊禁止」を掲示している道の駅もあります。最終的には、各施設の掲示やルールに従うことが前提です。

SA・PAはトラックの休息場所でもある

高速道路のSA・PAも、道の駅と同様の扱いと報じられています。SA・PAで車中泊をする際に知っておきたいのが、深夜の大型車駐車マスの不足です。

NEXCO各社によると、SA・PAでは平日の夜間を中心に大型車の駐車マスが不足しています。都市近郊のSA・PAでは8時間以上の長時間駐車の割合が多く、駐車できずにそのまま出ていく大型車も少なくありません。背景には、物流業界で運行管理が厳しくなり、仮眠や時間調整のために長時間駐車するトラックが増えていることがあります。

NEXCO 3社は対策を続けています。

  • 2023年秋から、全国11か所のSA・PAで大型車マスの一部を「60分以内」に限る短時間限定駐車マスの実証実験を開始
  • 2024年度は全国26か所で大型車マス約480台分を拡充し、2025年度も約510台分を拡充する計画
  • 2026年10月には、NEXCO中日本が伊勢湾岸道・湾岸長島PA(下り)で大型車マスを37台分増やす工事を11月から始めると発表

SA・PAは、トラックドライバーが法令で定められた休息を取る場所でもあります。乗用車で車中泊をする場合は、大型車マスや大型車と兼用のマスに停めず、小型車マスを使うことが基本です。

アイドリングは条例で制限されている

車中泊でエンジンをかけたままエアコンを使うことにも注意が必要です。多くの都道府県が、条例で駐停車中のアイドリングを制限しています。

  • 東京都: 環境確保条例で、駐停車中のアイドリングを禁止しています。対象には休憩中も含まれ、冷暖房のためのアイドリングもやめるよう呼びかけています。違反者には勧告が行われ、従わない場合は氏名などが公表されます。
  • 愛知県: 条例で、自動車を駐停車するときは原動機を停止しなければならないと定めています。駐車面積500㎡以上の駐車場の設置者・管理者には、利用者への周知が義務付けられています。

一方で大阪府は、厳寒期や盛夏期には条例の適用に一定の配慮をするとしています。条例の内容は自治体ごとに異なるため、旅先の地域のルールを確認しておく必要があります。

問題視されている行為

報道では、次のような行為がマナー違反として挙げられています。

  • 駐車場でテントを張る
  • コンロを出して調理する
  • 施設の電源を無断で使う
  • 長時間の連泊、ゴミの放置

これらは仮眠の範囲を明らかに超える行為です。車外に物を出さず、エンジンを止め、ドアの開閉音や照明に配慮することが基本になります。

高速道路の深夜割引は見直しが予定されている

2026年10月時点の深夜割引は、0時から4時の間に高速道路を通行したETC車の料金を3割引にする制度です。NEXCO 3社は、割引時間帯を22時から翌5時に広げ、その時間帯に走行した分だけを割引対象とする見直しを予定しています。割引は料金所での即時割引から、後日還元する方式に変わります。運用開始時期は、システム整備の状況を踏まえて改めて発表されることになっています。夜間に移動して道の駅やSA・PAで休む旅程を組む方は、制度変更にご注意ください。

6. 有料の車中泊区画という新しい動き

近年、駐車場の一部を有料の車中泊区画として運用する例が増えています。料金を払えば、宿泊目的であることを気にせずに一晩過ごせる場所です。公表されている主な例は次のとおりです。

施設開始・時期内容料金(1泊)
ローソン(コンビニRVパーク)2025年7月に千葉県6店舗で実証開始。2026年7月に埼玉・静岡・愛知へ拡大し27店舗18時チェックイン、翌9時チェックアウト。クレジットカード払い2,500〜3,000円(実証開始時)
道の駅 むつざわ つどいの郷(千葉県)2025年10月有料・予約制。温泉併設電源付・大型区画3,980円、電源なし・小型区画1,100円
道の駅 美ヶ原高原(長野県)Carstayで予約受付11台分。Carstayの2025年人気No.1スポット3,000円〜
道の駅 摩周温泉(北海道)国交省北海道開発局の取組駐車場の一部を予約専用化し、ゴミ回収と電源使用を提供料金はゴミ回収・電気利用の費用

料金や運用条件は発表時点のものです。利用前には各施設の最新情報をご確認ください。

利用者はコンビニの車中泊サービスをどう見ているか

2026年のホンダアクセス調査では、コンビニの駐車場で車中泊できるサービスについても尋ねています。

  • 車中泊経験者のうち、サービスを「知っている」人は50.2%
  • 知っている人のうち、「利用したことがある」人は35.8%
  • 車中泊経験者のうち、「今後利用したい」人は56.2%

今後利用したい人が挙げた魅力は、「トイレを利用できる」(66.5%)と「飲食物をすぐ購入できる」(63.8%)が上位でした。女性では「ゴミを捨てられる」(57.7%)と「防犯面で安心感がある」(49.3%)が、男性より10ポイント以上高くなっています。第4章で見た「トイレ・食事を外部に頼る」構造が、そのまま有料区画への期待につながっていることが分かります。認知はまだ経験者の半数ですが、利用意向は半数を超えており、今後の伸びしろがあると考えられます。

道の駅で有料化を進める際の課題

道の駅の駐車場は道路区域にあたる場合があります。国土交通省の資料によると、2025年1月末時点の道の駅1,230駅のうち、道路管理者と市町村等が一緒に整備する「一体型」が678駅(55%)、市町村等がすべて整備する「単独型」が552駅(45%)です。摩周温泉の例でも、利用者が支払う料金は駐車料金ではなく、ゴミ回収や電気利用の費用として位置づけられています。有料区画の広がり方は、こうした制度上の整理にも左右されると考えられます。

7. 今後の視点:電動車の給電機能

ここまで見てきたように、日本の車中泊では、エンジンを止めて静かに過ごすことが基本です。一方で、車中泊経験者の34.7%が「車内温度の調整に苦戦する」と答えています(第4章)。エンジンをかけずに空調や電気を使えるかどうかは、車中泊の快適さを左右する要素です。

この点で、電動車の給電機能が新しい選択肢になりつつあります。BEV(電気自動車)の国内販売は、2026年上半期に乗用車全体の約3%まで伸びました。トヨタはハイブリッド車を中心に20車種以上でAC100V/1500Wの給電に対応しており、走行中にも給電できるため、移動中にポータブル電源を充電しておく使い方もできます。

ただし注意点もあります。ハイブリッド車やPHEVは、停車中に給電を続けると駆動用電池の残量が減った時点でエンジンが自動で始動するため、トヨタはアイドリングストップ条例への配慮を呼びかけています。BEVも、一晩中エアコンを使えば電力を大きく消費します。電動車での車中泊の可能性と注意点は、別のコラムで詳しく取り上げる予定です。

おわりに:旅の途中で寝る車だからこそ、走る前の点検を

公表データからは、日本のキャンピングカーと車中泊車の多くが、観光旅行の途中で寝るための車として使われている姿が見えてきます。キャンプ場に滞在するのではなく、移動しながら道の駅やSA・PAなどで夜を過ごし、翌朝また走り出す使い方です。

こうした旅では、車にかかる負担も特有のものになります。

  • 夜間・早朝の走行: 2026年のホンダアクセス調査では、車中泊旅で楽しんでいることの1位が「夜間ドライブ」(35.0%)でした。灯火類、ワイパー、タイヤ、ブレーキの状態が、そのまま安全に関わります。
  • エンジンを止めた状態での電装品の使用: アイドリングが制限される中で、照明や充電、暖房をサブバッテリーやFFヒーターに頼る時間が長くなります。
  • 冷え込んだ朝の始動: 出先で一晩過ごした翌朝は、メインバッテリーへの負担が大きくなります。

旅先で車両や設備が故障すると、夜を過ごした場所で立ち往生することになりかねません。タイヤ、ブレーキ、足回り、油脂類、メインバッテリーなどが適切に整備されていることが大切です。

CSSファクトリーは、「走る・曲がる・止まる」というクルマの基本性能を確実に維持すること、そして故障してから直すのではなく、トラブルの原因を事前に取り除く「予防整備」を大切にしています。鈑金修理と整備の技術をもとに、洗車・車検から架装部の修理、FFヒーターや電装系のメンテナンスまでワンストップで対応いたします。次の旅に出る前の点検やご相談は、こちらの問合せフォームからお気軽にご連絡ください。

参考資料

統計・調査

施設・制度

報道(第5章「問題視されている行為」)

電動車の給電機能(第7章)